かわうそまんのひとりごと

ゆっくりのんびりていねいに。

【読書記録】劇場(又吉直樹)

「若くて未熟なふたりがともに過ごしたどうしようもない時間」

を読書で追体験する。

その時間はとても脆く鬱屈としていて非常にしんどい。

人間の汚さや醜さを現代風にギュッと凝縮させたような

主人公の永田には終始辟易とさせられるが

ふとした瞬間に自分を重ね合わせてしまい

なおさらしんどくなる。

息をするのも忘れるような勢いで読み切ってしまった最後の40ページに

この駄目な主人公の屈折した純粋さと醜悪な自己愛が

溢れているように感じた。

現実では体験できないしんどさを求めて手にしたので

非常に期待通りの内容でした。

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