香りと記憶の物語。
良い匂いとか臭いとかはもちろん感じるけど
ふだんの生活で嗅覚を意識することって
そう多くはないか。と思ったが
「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される」
らしい。
物語自体は落ち着いた雰囲気でじっくり味わい深い印象。
冒頭ではほとんど感情を見せなかった朔の変化を楽しんだり
一香と朔の関係性にもどかしさを感じたり
愛着と執着の違いに考えを巡らせたり。
良い味を出していた源さんの正体には驚いたけど。
締め括りで一香が
「友人として朔が住む洋館へ遊びに行くこと」
を選んだのが「良い終わり方だな」と思った。