かわうそまんのひとりごと

ゆっくりのんびりていねいに。

【読書記録】さくら(西加奈子)

家族の物語。

当たり前にある日常。安らぎ。絆。

少しずつカタチを変えながらも

揺るぎなくそこにあると思っていたもの。

それが兄の事故によって

ガラガラと壊れて行ってしまう。

当たり前だったものが壊れそうになって

なんとかギリギリのところで踏みとどまって。

幸せは日々の暮らしの中にそっと隠れていること。

それは永遠じゃないこと。

そこにあることの尊さ。

言葉にするとありふれた陳腐なものに感じてしまうけれど

言葉にならない大切な何かが

この家族の象徴をタイトルにした1冊に

ギュッと詰め込まれていた。

とても切なくてとても温かかった。

books.rakuten.co.jp