かわうそまんのひとりごと

ゆっくりのんびりていねいに。

【読書記録】今夜、もし僕が死ななければ(浅原ナオト)

死の近づいている人が分かる主人公。

その能力を通した出会いと別れのストーリーだった。

死をテーマにしつつも重苦しくはなく

むしろ穏やかに展開していくストーリーがとても読みやすかった。

なぜ主人公はその能力を手にしたのか。

なぜ主人公は死が近づいた人にその事実を告げるのか。

普通の人よりも濃密に死に接しながら

いくつかの出会いと別れを重ね

いつしか人の親になった主人公が辿り着いた

  「生まれた意味も能力の意味もなくて、ただ生まれたことが尊い。」

という境地がとても印象深かった。

そしてタイトルの回収のされ方もまた心に沁みた。

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