死の近づいている人が分かる主人公。
その能力を通した出会いと別れのストーリーだった。
死をテーマにしつつも重苦しくはなく
むしろ穏やかに展開していくストーリーがとても読みやすかった。
なぜ主人公はその能力を手にしたのか。
なぜ主人公は死が近づいた人にその事実を告げるのか。
普通の人よりも濃密に死に接しながら
いくつかの出会いと別れを重ね
いつしか人の親になった主人公が辿り着いた
「生まれた意味も能力の意味もなくて、ただ生まれたことが尊い。」
という境地がとても印象深かった。
そしてタイトルの回収のされ方もまた心に沁みた。