かわうそまんのひとりごと

ゆっくりのんびりていねいに。

読書記録

【読書記録】彼岸花(宇江佐 真理)

江戸の市井を舞台にした短編が6篇。 巻末の解説に 「本書は『絆』をテーマにした短編集だ。」 と書かれていたが、なるほどその通りだと思った。 親子の絆、夫婦の絆、友人との絆。 現代にも通じる『絆』をテーマに 江戸時代を生きる市民の喜びや悲しみが描か…

【読書記録】終電の神様 始発のアフターファイブ(阿川 大樹)

シリーズ第2弾。 肩の力を抜いてほんわか楽しめてほっこり心が温まる短編が5つ。 東日本大震災の被災者を題材にした3話目の 「善意の『がんばれ』という言葉がありがたいけれどつらい」 というフレーズが印象的だった。 どの物語も夜が明けた後にすこし明る…

【読書記録】劇場(又吉直樹)

「若くて未熟なふたりがともに過ごしたどうしようもない時間」 を読書で追体験する。 その時間はとても脆く鬱屈としていて非常にしんどい。 人間の汚さや醜さを現代風にギュッと凝縮させたような 主人公の永田には終始辟易とさせられるが ふとした瞬間に自分…

【読書記録】ロードス島戦記2 灰色の魔女(水野 良)

前巻から2年後、傭兵王カシューが治めるフレイムが舞台。 炎の部族との戦いにパーンとディードリットが参戦。 遅れてスレインも登場。 今巻もサクサクと楽しく読めました。 風の王と炎の王と対峙しハイエルフとして成長を遂げていく ディードリットが印象的…

【読書記録】「静かな人」の戦略書(ジル・チャン)

タイトルに魅かれて手に取ったが 自分が求めいていたものとは違っていたかなという気がする。 内向的な著者がこれまでにとってきた行動や成功をおさめた要因 あるいは内向的な人に関する著書の引用や分析を 丁寧に纏めた1冊という印象。 ただ「内向的な人と…

【読書記録】ロードス島戦記―灰色の魔女(水野 良)

剣と魔法と冒険の物語。 戦士がいて魔法使いがいて神官がいてエルフがいてドワーフがいて盗賊がいて。 とまさにファンタジー小説の王道のど真ん中。 主人公たちの登場から英雄戦争、そしてカーラとの決戦と テンポ良くストーリーが展開し、登場人物のキャラ…

【読書記録】2022年の読書をふりかえる

読書管理に使っている読書メーターさんによると昨年は 読んだ本の数:75 読んだページ数:26655 ナイス数:3426とのことでした。 1ヵ月平均6冊ちょいということなので、我ながらよく読んだなーと思います。 どの本をとっても素敵な読書体験を提供してくれた…

【読書記録】満願(米澤穂信)

心がざわざわする外れなしの短編集。 どの物語も起こり得ても全く不思議ではない状況下で 自らのエゴだったり欲望だったり願いだったりを満たそうとする 人間らしさが描かれていた。 命を奪ったり傷つけたりの根本には そういう心理が根ざしているのだろうな…

【読書記録】天使蒙塵4(浅田次郎)

満州国が帝政に移行し、溥儀が即位の儀式に 史了と春児を従えて臨むところで物語は終了。 紫禁城を追われた溥儀が紆余曲折を経て新京に流れ着き、 傀儡とはいえ新たな国の帝位に就く物語は なるほど確かに天使の蒙塵だった。 誰もが列席を拒んだ即位の儀式で…

【読書記録】「やめる」という選択 (澤円)

良い意味で自己中になって 「今の自分を豊かにするか、自分にとって価値があるか、ありたい自分に資するか」 にフォーカスをあてる。 そのうえで、過去の成功体験だったり、思考パターンだったり、人間関係だったり、 今やっていることだったりが 自分のため…

【読書記録】天子蒙塵3(浅田 次郎)

張学良が帰還するまで。 張学良自身や溥儀、李春雷や志津たちの語りをとおして 多種多様のドロドロとした思惑が渦巻く 満州国から満州帝国へと移る様子が語られる。 川島芳子や甘粕正彦といった人物も新たに登場。 非常に興味深く、そして面白い。 残すとこ…

【読書記録】人は話し方が9割(永松茂久)

話し方というよりは人と接するときの心構えが書かれていたという印象。 話す相手に関心を持って、相手の話を傾聴し、敬意と感謝を忘れない。 なるほど、仰るとおりですね。とは思うがこれが常々出来ているかというと 中々難しいなと思うし、これが出来ている…

【読書記録】天子蒙塵2(浅田 次郎)

溥儀、馬占山、関東軍、日本陸軍... 満州国建国の様子が様々な人物の視点で語られる。 この時代についは知識がほぼないため非常に興味深く読み進められた。 ただ、それらの史実に沿った物語ではなく、 梁文秀が妻の玲玲とともに故郷、梁家屯へ帰った場面が強…

【読書記録】限りある時間の使い方 (オリバー・バークマン)

巷に溢れる効率化、ライフハックを推奨するタイムマネジメントの指南書に 真っ向勝負を挑んだような1冊。 「我々に与えられた時間は限りなく短い。その時間の中で、 限界を受け入れ自分自身で「今これをする」と決めたことを 先延ばしせずにすぐに実行する。…

【読書記録】天子蒙塵1(浅田 次郎)

蒼穹の昴シリーズの第5弾。 まだまだ物語のほんの入り口。 文繡が語る宣統帝溥儀との離婚劇をとおして張作霖爆殺事件前後から 溥儀が満州に動座(蒙塵)するまでの情勢が紹介されたというところでしょうか。 今作では春児(李春雲)がのっけから登場し、史了(梁…

【読書記録】嫌われる勇気(岸見 一郎,古賀 史健)

対話形式で非常に読みやすかった。 心に刺さるフレーズはいくつもあったが 端的に言うと 「過去でも未来でもなく、まさに今この瞬間を真剣に生きる。 他の誰かのためではなく自分自身のために生きる。 そのための勇気を持って生きる。」 ということでしょう…

【読書記録】傲慢と善良(辻村 深月)

「傲慢」と「善良」。 文字にすると正反対な雰囲気もあるが実は表裏一体、紙一重。 前半は婚活だったり親との関係だったり恋人の友人との関係だったりの エピソードから傲慢と善良を次々と突きつけられる。 自分にもどこかしら心当たりがあるエピソードが グ…

【読書記録】希望の糸(東野 圭吾)

加賀恭一郎シリーズの最新作。 とはいえメインは松宮。 生命を授かる、生命を育む、親子の絆といった所がテーマでしょうか。 赤ちゃんが生まれることを被害者が素敵な出会いと言ったのを良い表現だな。 と思ったが、それが仇となるとは。 じっくり読める味わ…

【読書記録】青空と逃げる(辻村 深月)

母と息子の逃避行。 最初の頃は翻弄されてばかりだった2人が 訪れる先々で出会う人たちとの触れ合いの中で少しずつ逞しくなって行く。 2人に関わる人の優しさというか懐の深さが丁寧に描かれていて好感を持てました。 子どもでも大人でも困った時は助けを求…

【読書記録】落合陽一 34歳、「老い」と向き合う:超高齢社会における新しい成長(落合 陽一)

老いと介護について。 利用者のニーズに合わせた介護をテクノロジーを活用して実現する。 テクノロジーで介護従事者の負担を軽減し、社会的地位の向上を図る。 自分に合った、あるいは自分が望む介護を受けながら豊かな老後を過ごす。 確かに実現するといい…