読書記録
伊佐次とお文に無事子どもが産まれた今巻。 これまでは想像すらできなかった 伊佐次のメロメロっぷりに思わずニヤニヤしてしまう。 お上には逆らえない武士の悲哀が描かれた「畏れ入谷の」 と直次郎の恋が実った「慈雨」が印象に残りました。 books.rakuten.…
摩訶不思議な世界観と独特の文体 クセが強すぎる登場人物に すっかり嵌ってしまいました。 黒髪の乙女に恋した腐れ大学生の涙ぐましい努力が 一々面白い。 そしてその努力に一向に気付かない 黒髪の乙女の天然っぷりも 可愛らしかったです。 books.rakuten.c…
前半は月生と白猫のバチバチの戦い。 ヘビの圧倒的な強さを挟んでから 香屋とヘビ、香屋とウォーターの戦略的な戦い。 戦いメインだった今作もとても面白かった。 1人の犠牲を出したくないという理想と 戦いを終結させるためには最低限の犠牲は必要であるこ…
女神の呪いを受けたタラニスは2500年の間 100万回生まれ変わり愛するミアンを探し続ける。 何度も何度も記憶を持ったまま生まれ変わることを 繰り返す苦しみ。 一度の人生に限りがあるということ。 1人の人を愛し続け終には様々な苦難を乗り越え結ばれる タ…
以前から読みたいと思っていた柳田國男の遠野物語を 京極夏彦が現代語で編集したということで 飛びつくように手に取った1冊。 山神、オクナイサマ、ヤマハハ、河童や天狗や座敷童、あるいは狐、 遠野という東北の山里に伝わる伝承は 実はかつては日本全国至…
前作で住んでいた家が燃えてしまったお文が 伊三次と一緒に住むことに。 今作は子どもに関する話が多かった。 表題作の「さんだらぼっち」の早苗は本当に痛ましかった。 いっぽうで「時雨てよ」で伊三次の弟子になった九兵衛は これからどう成長していくかが…
死の近づいている人が分かる主人公。 その能力を通した出会いと別れのストーリーだった。 死をテーマにしつつも重苦しくはなく むしろ穏やかに展開していくストーリーがとても読みやすかった。 なぜ主人公はその能力を手にしたのか。 なぜ主人公は死が近づい…
伊三次シリーズ3巻。 不破が心をこめて伊三次に頭を下げて許しを乞うたり 増蔵がかつて置き去りにした元の妻を庇ったり お文の生い立ちが分かったりと 今作も密度の濃い1冊でした。 家を焼かれたお文と伊三次が ついに所帯を持つことになったのが やはり印象…
何とも言えないやるせなさを感じながら読了。 愛する母と妹を守りたかっただけなのに… 非力な未成年だった主人公は犯行に及ばざるを得なかったのか。 犯行に至るまでの主人公の追い詰められていく心情と 犯行に及んだあとの主人公の追い詰められていく心情、…
殺されてしまった私視点で 私の死体が隠蔽される様が語られるシュールな内容。 殺人と死体隠蔽ということの重大さを ついつい忘れさせるような愛らしい語り口。 いたって冷静な健君、お兄ちゃんが大好きな弥生ちゃん、 どこか妖しい雰囲気の緑さん。 田園風…
著者があとがきで今作のテーマは「変化」 と記しているだけあって小気味よく物語が展開される。 裏切り、友の死、敵討ち、拐かしに新しい恋。 伊三次とお文の意地っ張りな頑固さだったり容量の悪さだったり 気高さだったりが読み手にとって心地よいしじれっ…
常識に縛られずに思考し続けること。 世間や社会、仕事の「あたりまえ」に疑問をもって 時間を有限のもとの意識し、未来志向で働く。 苦手なことは得意な人に任せ、自分の得意分野で勝負する。 「外のものさし」を持って今の自分を客観的な立場から俯瞰で捉…
以前読んだ「アフターデジタル」シリーズの続編。 冒頭でインドネシアをはじめとした東南アジアでの社会のデジタル化が紹介され、 日本がデジタル化の潮流の中でいかに取り残されようとしているか… という危機感が示されている。 以降では進化には「利便性の…
不穏さを感じる独特な世界観と その中で学園生活を送る危うさを帯びた 少年少女の描写にすっかり魅入られてしまいました。 1人また1人と生徒が殺されていき、誰が犯人なのか? 主人公の理瀬や彼女をとりまくクラスメイト、ファミリーに どんな結末が待ってい…
コンビニ店員として与えられたマニュアルをこなすことで 社会での居場所を見つけた主人公。 コンビニ店員というレッテルを剥すと異端な存在になってしまうし コンビニ店員のレッテルを貼っていても実は周囲から浮いている。 大多数に交われずに生きていく息…
大企業の採用通知書を巡る超能力者たちの壮絶な・・・騙しあい。 全員が全員を騙しあう展開にストーリーを追いかけるのが大変だった、 というか終盤まで騙しあいとは気づかずに超能力ばかり追ってたから 脳みそグチャグチャになりそうだった(笑) エピローグ…
非常に読みやすかった。 投資云々よりもリーマンショックからロシアのウクライナ侵攻までの間で 世界でどういうことがあってそれが経済にどういう影響を与えるかを ザックリ押さえるにはちょうど良かった。 https://www.amazon.co.jp/dp/product/4046058668/
ついに最終巻。パーンとスパークが共闘し これまでの登場人物が勢ぞろい。 バグナードやカーラとの戦いを制しついにロードス島に平和が訪れる。 スレインからレイリアへの 「あなたのその笑顔が見たかった…」 という言葉が本当に良かった。 https://www.amaz…
前作より15年後の世界。 フレイムの騎士見習いスパークが主人公。 昔のパーンとはまた違った未熟さと様々な挫折を経て 少しずつ成長していく様が新鮮だった。 そのパーンは自由騎士という名の伝説の騎士として カノン解放のために戦っているというのが驚きだ…
生きるということは許すことであり許されることである。 誰かを傷つけたり誰かに悲しい思いさせたり… ということがない人生はおそらく空虚なものである。 許すという行為も許されるという行為も多くの苦しみを伴うが それができない人生はきっと寂しい。 若…
愛する人を奪われたら… 愛する人に裏切られたら… 愛する人を残して逝くことになったら… 自分だったらどう感じるのだろう 自分だったらどう振舞うのだろうと 川原さんやシュンに自分を重ね合わせながら じっくりとページを進めました。 憎むこと、許すこと、…
モス、ヴァリス、カノンという3つの国を舞台にした短編集。 これまで通りの剣と魔法のファンタジーをベースにしながら 「王としての資質」が描かれていた。 カシュー王やスレインたちから王となることを求められながらも 結局パーンが選んだ戦士としての道、…
最近よく見ているYouTuberさんのエッセイ。 激烈ブラックな社畜生活を送っている彼女が どんな事を考えているのか気になって 手に取ってみましたが とても読みやすく共感できることも多々ありました。 仕事への取り組み方とか人間関係とか同調圧力とか… 下手…
愛娘を殺された夫婦がサイコパスな犯人への復讐を企て 一方で犯人はさらに夫婦を絶望に陥れようと謀る。 そこに職務を忠実に全うしようとする千葉が加わることで ストーリーが軽妙に動き始める。 夫婦と千葉のどこか微妙にズレた会話が楽しかったし 終盤の車…
エッセイ集と小説。 1冊で2度美味しかった。 エッセイはチャーミングでいてピシッと筋が通ってる 著者の姿があちこちから顔を覗かせていて 期待通りの内容でした。 小説のほうはカッコ良く生きるとか幸せに生きるとか... そういったものに対する著者の美学が…
短編が7つ。 どれも人の心の闇が描かれている。 時代は違っても誰もが心に闇を持っていると思わされた。 下級武士の矜持が感じられた「木綿触れ」が印象に残った。 https://www.amazon.co.jp/dp/product/4101247145/
転校。受験。友情。恋。 高校3年生のラスト3ヶ月を描いた青春群像劇。 登場人物がどこにでもいそうな高校生だからこそ 彼等を身近に感じることができたし そんな彼等のキラキラした青春を追体験することができた。 表紙の2人の微妙な距離感がこの物語の良さ…
著者の読書に対する考え方だったり 読書経験の披露だったり、影響を受けた本の紹介だったり。 ニーチェ、世阿弥、観阿弥、エジソン、一休宗純、村上春樹、三島由紀夫と 哲学からマンガまで半端ない守備範囲の広さや読書冊数が物語る 「多読の薦め」と受け取…
著者の代名詞ともいえる江戸市井を題材にしたお話。 どの物語も決して恵まれているとはいえない むしろ不遇といっていい境遇の下級武士や町民の悲哀が 情感豊かに描かれていて非常に味わい深い。 なかでも最後に明るい未来の兆しが垣間見える 「意気地なし」…
魔竜シューティングスターとの対決と カシューとアシュラムの一騎打ち。 それ以上に印象に残ったのがオルソンの切ない最後。 シーリスを守るために自ら怒りの精霊を召喚した 優しい狂戦士は本当に魂が失われていたんだろうか。 せめて愛する人を守ったと満足…